日頃当社が大変お世話になっている仕入先の三木電器産業株式会社 三木尚文社長が先日ご来社されました。
今回はその時の話を一部抜粋してお伝えしたいと思います。
本題に入る前に、今やOnedam(ワンダム)のヘアアイロンでおなじみの三木電器産業さんについて少しだけご紹介

同社は1986年に三木社長のお父さんにあたる先代社長の三木隆史さんが創業されました。
先代社長は某大手家電メーカー技術部門から脱サラをして独立をし、開業当時はまだ世の中になかったタッチセンサーライトや電源タップを日本国内で製造販売を開始。
その後バブル崩壊を経て国内企業は生産コスト削減のため製造拠点をどんどん海外へシフトを行い、国内製造のメーカーは徐々に仕事が減り始め同社もそのあおりを受けて先代社長は一時期サラリーマンと自営を兼業していた時期もあったとか。
2000年代に入ると先代社長の知り合いの美容師さんからの依頼で中国から輸入したドライヤーの検品を依頼されて一時期は検品代行を請け負い、その代行業務で然るべきプロ用商品であるためのノウハウを蓄積されていったたそうです。
そして蓄積されたそのノウハウをもとに検品だけでなく自社で輸入から販売までを行うために “Onedam” というブランドを立ち上げプロ用商品のメーカーへ転向することに。
このような経歴をお持ちの三木電器産業さん、創業当時はプロ用商品を作っていなかったとは驚きです。
私はメーカーさんとお話しする機会があると必ず質問することがあります。それはモノ作りに対するこだわりやそのメーカーさんの商品の(絶対的な付加)価値は何かということ。どこに軸をおいて商品を作っているかということ。
お尋ねしたところ “使いやすさ” が一番大切 とシンプルに三木社長
重量感やバランス、握り心地、髪をプレスした時の滑り感など、使用感は技術者にとって非常に大きな要素ですね。そして男性と比較して手の小さい女性でもストレスなく使えるためにサイズは小さくしなければならない分ハードルは上がります。一般的なサイズから更に軽薄短小にして機能をそこに集約できないか? 数ミリ単位のサイズダウンを考えて開発をしているそうです。 海外の展示会に行けば斬新なデザイン、おしゃれなデザインの商品は目にしますが、それらが決して使いやすいとは言えないとも語る三木社長
このような考えでプロ用のフィールドでモノづくりを行い約20年、一番大切にしている ”使いやすさ” を立証する出来事が起こります。
同社の一番の定番スタンダードモデルが AHI-252↓ ですが
その初代モデルとなるAHI-250を発売したのが2006年、
当時から価格と品質のバランスがよく定番品として安定的に供給を続けていたこのモデル、あるときを境に注文数が通常の3倍くらいに増加していったそうです。
三木社長も理由がわからず注文の入った商社さんへ確認したところ東京の超有名美容室の人気美容師さんがこのAHI-250を非常に評価しており、店販をする傍らこのアイロンを使用してYOUTUBEで技術やスタイリングの動画を配信したことで爆発的に拡散されていったそうです。
同社の大切にしている ”使いやすさ” がユーザーである美容師さんに伝わり市民権を得た一例だと思います。美容師さん独自の意向でPRをされていったそうなので、モノ作りをしているメーカーさんにとっては一番やりがいのあることと思います。
このスタンダードモデルのアイロンで一気にブランドと商品の認知が上がった同社ですが、勢いに乗った三木社長は次に新たな付加価値の高いドライヤーの開発に挑戦します。”使いやすさ” という基本コンセプトはそのままに、新しい技術や機能を取り入れた従来のOnedamブランドからすると異例の価格設定のドライヤーを2020年の春に発売されました。
BLDCモーターという新しい規格のモーターを搭載し、風速30m/秒という高風速・静電気除去・プラズマイオン発生と髪へのケアと乾燥効率のUP、モーターの寿命UPと仕様的にも特徴的にも業務用としても非の打ちどころのない商品です。三木社長曰くこのドライヤーの原型を見つけた時に一目惚れをし、そこに熱い想いとこだわりを持って発売にこぎつけたそうです。サロンワークにおける使用のみならず、今サロンでは高付加価値・高額商品の店販が主流になりつつあります。そんな背景もあり発売から2年が経過した現在当社でもコンスタントに販売を継続しています。そしてこのABD-701も、超有名美容師さんの目に留まり大きく評価されています。
中小企業では大きな費用を投下した広告はできないと語る三木社長、SNSなどを駆使してこれからも商品の認知を広げていかれるそうです。
”使いやすさ” という点に最も重点を置いてモノづくりを行うというシンプルなこだわりですがシンプルであるからこそ奥が深いように感じる対談でした。今後の新しい商品開発に更なる期待をしていきたいと思います。
三木社長 この度はありがとうございました。