マレーシアで見た当社のコピー商品・・・
不定期でお送りするアジアの理美容事情
今回は初めてマレーシアへ出張した時のことついてお伝えします。
2015年から海外営業を担当した私は第一回目の出張に前任者と同行することになりました。
香港、シンガポールを経て最終目的地はマレーシアです。
当時、マレーシアにお得意先はなく新規開拓と市場調査の為にマレーシアへ向かいました。
当時からさかのぼること三十年程前まではマレーシアにも顧客はあったようですが、時代の経過と共に徐々に取引がなくなり現在に至ったと聞いていました。
現地クアラルンプールでアポをとっていたディーラーさんへ訪問、現地のディーラーさんはたいてい自社の事務所とプロ向け業務用品の店舗を併設しています。
また、街中のショッピングモールの中にテナントとして入りそこでプロ向け業務用品店を運営しながらアンテナショップとしているディーラーさんもあります。
日本の場合は扱う商材が技術者向けであるということと、サロン専売品であるということで、対象は基本的に美容室スタッフや経営者、美容学校生に限定した会員制が基本ですが、マレーシアの場合は会員制でなく誰でも自由に商品を購入することができます。もちろん一般消費者と美容室関係者で購入価格に差があるとは思いますが。
クアラルンプールの中心地でプロショップがたくさん入ることで有名なショッピングモールの中の1社とアポがあり、そのプロショップへ訪問したときに驚きの商品が目に入りました。
当社のオリジナルでその昔販売していたパーマ用ペーパーが陳列されているのです。
よく見ると色目もオリジナルと微妙に異なる。箱のサイズも微妙に違う・・・
なんとコピー品が堂々と販売されているという事実を目の当たりにするのです!!
といっても当社も商標権や意匠登録等の知的財産を守る為の法的な手続きをしているわけではないので何も言えません(笑)
また、彼らはこの商品が当社オリジナルの商品のコピーであるということも知りません。(笑)
現地のバイヤーにそのペーパーの仕入原価を聞いたところ当社から売り渡す本物の価格の1/3程度でした、箱と中身は別々に手配し、中身のペーパーは原反で購入し箱のサイズに合わせて自社でカットして箱に入れて販売しているそうです。
この商品は日本では LOW FIX コールドペーパーという商品名で過去に当社のオリジナル商品として日本国内で販売していました。
↓本物
現地ではコピー品がOW PAPERという名前で日本製(実際には日本製ではないと思いますが)の高品質ペーパーとして販売されており現地業界関係者は誰でも知っている程のメジャー商品だそうです。
帰国後に社内でこの件を報告すると、1970年代から1980年代前半頃までパーマペーパーは洗って繰り返し使用できるペーパーが主流で、その中でもLOW FIX コールドペーパーはパーマ液の浸透性が良く、かつ丈夫で何度でも繰り返し使用できるということが日本市場で評価を得たと聞いています。そしてこの商品をマレーシアをはじめアジア各国へ輸出したところやはり品質が評価されて大ヒットをしたそうですが、その後コピー品が出回り本物を差し置いて徐々にコピー品が大半のシェアを占めたそうです。
現在この商品は日本国内では販売はしておらず、海外からの引き合いがあったときに受注生産という形で時々輸出をしています。
現地のパーマペーパーの価格相場と比較すると高いものですが、それでも本物志向のディーラーさんから時々引き合いを受けて現在も輸出しています。
マレーシアへの初出張、まさか当社のオリジナル商品のコピーが現地のパーマーペーパーのメジャー商品になっていたという驚きのお話(笑)
今回はこの辺で・・・
海外輸出にご興味あるけど輸出のノウハウがわからないメーカーさんはお気軽にご相談くださいね。