ハラ株式会社にも海外営業部があることはあまり知られておりません
しかもその歴史が40年以上あるということも・・・
かくいう私もある一時期 約3年半もの間この海外営業部を担当していたことがあります。そしてこの海外の仕事から様々なことを学び、数少ない貴重な経験をすることができました。海外の仕事を通じて得た日本と異なるアジアの理美容事情について様々な切り口から不定期でお伝えしていきたいと思います。
第一回目の今回は 施術に対する考え方 について
当社が輸出している国は香港・シンガポール・マレーシア・インドネシア他アジアに集中しています。
各国のお得意先のほとんどが現地の ”美容ディーラー” さんですが、現地では Hair & Beauty Supplies や Hair & Beauty Trading というのが一般的で ”美容ディーラー” とは日本特有の表現です。
海外営業部の主な仕事は日本製のカラー剤やパーマ剤・矯正剤をはじめヘアケアやスタイリング剤を中心にお得意先へ紹介し必要に応じてメーカーさんのインストラクターさんを派遣して講習会も実施します。品質という面で日本の製品は世界に誇ることのできる絶対的な自信を持って売り込んでいましたが、日本人が誇る品質と現地の人が求める品質の価値が異なり大変苦労をしたのを記憶しています。カラーにしてもパーマにしても日本の製品は ”結果” と ”ダメージケア” をバランスよく両立した2 in 1 の設計をされています。髪のダメージを最低限に抑えてパーマやカラーを長期的に楽しんでいただくため、特に “ケア” を重要視しているのが日本製品の良いところです。この点を理解していただくのに本当に大変な労力がかかります。 一方、現地では ”結果” と ”ケア” は別物と考えられており ”結果” という点だけで比較されると 日本製は ”結果” がイマイチといわれることも多々あります。 彼らにとって ”結果” と ”ケア” は別物であるため薬剤のアルカリ度数やph値はあまり気にしていません。また、カラーの2剤は12%までOKの国もあります。結果だけを比較すれば差が出て当然です。 そして現地では ”結果” の先にあるダメージが発生してはじめて ”ケア” を施します。
つまりダメージを最小限に抑えて施術するという概念はがありません。
(もちろんすべてのサロンがそうではなく、商売の中で現地のお得意先から聞いた一般論ですが)
当時ベトナムへ出張へ行った際に現地の日系サロンのオーナーさんからお聞きしたお話
現地のサロンはお客様の要望通りに施術をするのですが、その際にカウンセリングもなければ施術後の髪に対するダメージのリスクの説明もなく、ただ要望通りに施術を行います。運悪く施術がハズレの場合、悲惨な髪の状態になります。このようなハズレが数回重なりケアの施しようがない状態になって、日系サロンへSOSを求めて来店されることもしばしばあるとのことでした。
日本と現地の施術に対する考え方の違い
日本のサロンでは
カウンセリングで施術前にお客様の要望をしっかりとお聞きし、要望にお応えできるかできるかどうか髪質や施術履歴、ダメージレベルをチェックし、要望に伴うリスクを説明した上で場合によってはサロン側でその施術をお断りする。もしくは代替案を提案するといったことをするのが一般的だと思います。あくまでもお客様の髪に対するリスクを最重要視しており、その考えに基づきメーカーさんは商品を作っています。
現地のサロンでは
お客様の要望通りに施術をする。
但し、髪に対するリスクを説明しない場合や髪に対するリスクを説明した上でお客様が納得して施術を行う。
そしてこれらは最終的にサービスレベルの違いということに行きつきます。
その結果が料金にも反映されるのだと思います。
(善悪の比較論ではありません)
アジアの各国に日系サロンが必ずあり、現地在住の日本人の方が日系サロンへ行く理由が良くわかります。
書き出すときりがないので今回はこの辺で・・・
不定期ですがこのアジアの理美容業界事情を書いていきますね!
当社は国内のサロン向け(だけに限らず)メーカーさん商品を各国供給しています。
また、海外に販路がないメーカーさんで輸出をしたいけどそのノウハウがないメーカーさんからの依頼を受けて商品を輸出することもあります。このblogを読んで海外へ輸出をしてみたいけどノウハウがないというメーカーさんはお気軽に当社へご相談くださいね。
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